考えごと

近況その2

2023.05.10槇島 藍

子どもがおおきくなってきました。一年であっとゆうまに身長も体重もおおきくなった。まいにち食べて、遊んで、眠って、よく泣くし、よく笑う。すこやかで、ありがたいです。イタズラするのをみた瞬間に「あ!こらっ」と声をだすと、ササッと逃げたりするのも、みていて、面白い。

こないだ、夜泣きをなだめているときに、暗闇で子にむけて「なんにも心配いらないよ」と声をかけている自分がいて。おお、これが、自分からでてきた言葉なのか、と。

小さい頃は、眠るときに、心配ばかりして、「あした交通事故にあったらどうしよう」とか、「家族になにかあったらどうしよう」とか。大人になって、自分で子どもの頃のその気持ちにアンサーをすることもあるんだなあ、と感心しました。

どんな子でも、いつも安心して生きていける世の中になってほしいです。最近はとくに、心からそう思います。

アトリエの日々のこと

2020.12.07槇島 藍

アトリエのレポートが滞ってしまったまま、なんと冬になってしまいました。

もうすぐクリスマス、お正月なのですね。時がたつのが今年はビックリするほど、はやい!

年内にまとめて、たくさんの楽しかった制作をレポートできたらと思います。

近況は、クリスマスのリースをアトリエ前につくりました。

うがい、手洗い、体調に気をつけて、元気で今年もあとすこし、頑張りましょうね。

アトリエ・アオの名前について

2020.06.23槇島 藍

アトリエ・アオの「アオ」は自分の名前が「藍」なので「藍より青し」からとりました。青色の染料は藍の草から取るが、原料の藍よりも青い、の意から、教えを受けた人が教えた人より優れること、弟子が師よりまさっていること、にいいます。

自分が楽しくつくったり描いたりするやりかたをおしえて、より面白い作品ができたり、つぎの人につなげることができたら、美術のよわくてつよい、よい面があらわれると思っています。

小学校から絵を描くことや漫画や本が好きで、ずっと絵を描いてきて、美大にいってどうしてもお金と評価が欲しくてコンクールに出品して落選したり、個展もイベントも、失礼をやらかしたりドジな失敗を重ねて、そういう時間とともに、ようやっと自分の制作と教室をすること、自分の美術と向きあえている気がします。

いろいろあったなあ、しかし、まだまだこれからのことだらけ。

どうぞ、今後とも宜しくお願いします。

3月11日

2020.03.11槇島 藍

今日で東日本大震災から9年目。

ちょうど昨日、美術教室の授業でダンボールハウスのお店をつくりました。

アイスせんもんてん。ほかにも、おすしやさんやおもちゃやさんなど、とてもいい感じの出来です。

絵画教室や美術の仕事をとおして、子供とされている年齢のひとたちは、じつによくこの世界をみてるし、よく考えてることが、実感としてわかってきました。

子供が笑ったり泣いたり感情まるだしでやりたいことや楽しいことができる世の中に。

今の状況が少しでも好転するように。むかし子供だった私達が、できることから、頑張りましょう。

今年もありがとうございました

2019.12.31槇島 藍

2019年3月のプレ・オープンから石田倉庫のアトリエスペースで絵画教室アトリエ・アオをはじめて、今年は多くの出会いや関わりがありました。国分寺のてのわ市や野外展示、花みどり文化センターでのワークショップ、多摩センターのスタジオ・メガネさんでのワークショップ、石田倉庫のオープン・アトリエなど、数々のイベントで関わり、お世話になった方々には感謝御礼申し上げます。またアトリエにきてレッスンを受けてくださった皆々様、本当にありがとうございます。来年また新たに楽しいアトリエ教室にしていきたいので、ぜひ宜しくお願いします。

年末にかけてアトリエ関係でばたばたしていたのですが、立川駅近くの「アトリエざっく」が閉校するにあたり、アトリエざっくさんから多くの画材、備品、教材を受け継がせて頂きました。子供クラスのレッスンに少しだけ関わらせてもらったのですが、びっくりするほど豊かで自由なアトリエで、子供達も楽しそうにしていて、今後の自分の教室のありかたなど、課題ごと、まるっと貰ってきたかたちです。ただいま年明けからアトリエ・リニューアルの改造工事を始めるため、頑張っています!!来年もどうぞ宜しくお願いいたします。

ちょっと沖縄まで

2019.12.04槇島 藍

親戚の那覇マラソンの応援で沖縄にいってきました。半年前からLCC航空券を予約して、ずっと行くことを楽しみにしていたからか、前日「楽しみにしすぎて眠れない」をやってしまいました。かなり寝付きのよい自分は、おそらく予備校時代の「明日からの美大浪人生活が不安すぎて眠れない」以来の眠れない日。何年ぶりかしら。

お世話になったのは、ベリーダンサーのmelekさんがお爺様から受け継いだマンスリーマンションです。すごく素敵な所で、とくに自由に出入りできる屋上が最高で、空が近い場所で海もみえて、身体が緩んで、気持ちがよくってほっとしました。

>meleponoapartment
http://melepono.strikingly.com

melepono apartment桃原(マンスリーマンション)は、那覇市首里の高台にあるヴィンテージマンションの最上階の一室です。撮影スタジオ、レンタルスペースとして使用できます。

沖縄、まだまだ20度台の気温でからっとしていて気持ちよく。私は沖縄のイメージは、赤や青や黄色の原色や南国の濃い色味が生活にはいってるのかと思ってました。建築とか織物とかのイメージで、アジアの、力強い色彩なのかな、と。

でも今回いってみて沖縄には、ものすごく明るい色のハーフトーンが多いことがわかりました。白壁の家も多いしグレーの色身が多い。薄いピンクとかミントグリーンとかブルーグレーとか。海もキリっとしたエメラルドグリーンとか、イメージはそうだったのだけど、実際は暖色を混ぜて色温度もっとあげた感じというか(説明、、わからなくてすみません)。

空の色は夕方頃、黄色とパープルが混じる色になっていて、琉球紅型とか特有の色彩感覚はここからなのかなとか、妙に納得しました。

むかし滞在制作でお世話になった場所場所で思っていたのは、ほんとに普通のことで、土地は面白い、でした。そこにある地形による気温差や、生えてる植物や、鉱物、食べている物、でてくる言葉、水の流れ、音。が、その場所にいる、その人をつくっているので、そういう土地固有の色彩を、身体を通してみていきたい。

アトリエ通常営業中です

2019.11.08槇島 藍

オープン・アトリエの後片付けもひと段落して、やれやれほっと一息。コーヒーやお茶を飲みつつ、通常営業です。倉庫の住人の毎日はしみじみ楽しいのですが、お祭りだと、なかなか素のオモシロ部分って見れないですよね。昨日は某画家さんが展覧会用の作品搬入が終わった瞬間、ジャンプしながら「わーいわーい!」とマンガのように小躍りしていました。ほかのアトリエでは納品前でバリバリ作業していたり、来客があったり、かっこいいサンプルつくっていたり。多方面に活躍して頑張っているので、こちらも自分の持ち場のアトリエで頑張る気持ちでおります。11月10日(日)まだ教室空きがあります。晴れていれば日中は暖かいので、よろしければ是非おこしください。

近況・秋がずっと続いてほしい。

2019.09.28槇島 藍

アトリエが夏をこえて過ごしやすくなり、描いたり考えたりする時間がのびました。

自分はどう転んでも自分以外のタイプにはなれないのですが、この場所で生きてるため、とんがったり、「なんだ?」と思うような表現、美術表現のあらゆる多様性の機会が喪失してしまうかもしれない、ことに絶句します。

「絵の具、きらい」「描きたくなーい」という小学生の前で、いちいち視界が暗くなったり、ウツウツとなったり、ちょっと前の自分はなっていたのですが、いまは0,1,2のコンマで頭振りあげていきます。さながら柔道の受け身のごとく「(バンっ)はいっ!じゃあ苦手に思うことはどのへんかな!?お片付けかな?うまくぬれないのかなー」と。

草の根レベル、ですが、小さいとこからコツコツと。そして個人的なことですが、できれば制作、教室に最適な秋の期間が長く続いてほしい。

長野県木島平村と野沢温泉村

2019.08.13槇島 藍

長野県の木島平村に中学校で教わった美術の先生が住んでいて、たまたまご縁があって再会できて、アーティスト・イン・レジデンスのときにお世話になりっぱなしでした。

先生の本棚でみつけた佐藤忠良と安野光雅ほか数名の編集でつくられた「少年の美術1.2.3」という現代美術社から出ている中学生向け美術教科書がずっと気になっていて、絶版になっているのを今回お借りすることができたので、この夏のお休み中に何度も読んで、自分の制作に関して、アトリエ・アオについて、よく考えてみようと思っています。

三つ子の魂、百まで。なので、中学生の頃に受けた美術教育と美術部での活動。私はそこに自分の表現のルーツ、根っこ、があると思っています。クロッキーが好きなのも、人や自然の風景が好きなのも、ふるくて、現代の美術に対応できるのか、とか、それをどうにかして伝えるには、とか悩みはつきないですが。先生と会って話すと自分にとっての疑問や思ってることを、聞いてもらえるので、気持ちが新たになるし、今回は「目を鍛える」「目をつくる」など美術教育の意味を長年の経験からばんっと出されていて、うわっとなりました。

野沢温泉村ではおぼろ月夜の館斑山文庫での「にしもとおさむ展」のワークショップを見学させて頂きました。すごくすごくよいご縁があって、長野とまたつながれたら、嬉しいです。

写真は大好きな中町展示館の横の神社。

アートとエンターテイメントの違いについて(抜粋)

2012.09.04槇島 藍
現代美術作家の祐成政徳さんという方を勝手に心から尊敬しているのですが、2009年に発行されたトークスクエアという小冊子(社内誌なのかな?詳しくなくてすみません)でインタビューをうけていて、最後のアートとエンターテイメントの違いについて、本当に、この方の言葉は自分の心や身体のコアの部分にするするはいってくので、抜粋します。無認可で恐れ多い、、、あんまり見る人のいない自由帳なのでお許しくださいませ。

(以下、抜粋)

以前、僕はアートとエンターテインメントの違いを考えたことがあります。何だと思いますか? 例えばエンターテインメントを代表するスピルバーグの映画。それは「ジェットコースタームービー」なんて評されます。映画館のいすに座っているのに、まるでジェットコースターに乗っているみたいにハラハラする。そこには、スクリーンの側、作り手の側から一方的にベクトルが向けられ、観客はそれをただ受け入れている状態です。でも、アートではそのベクトルが相互方向を向いているのだと思います。もしかすると、作品がこちらを向いてくれないかもしれないし、指されていても気がつかないかもしれない。そこで鑑賞者が歩み寄ることによって、作品の内容が広がってくるんです。
アートはよく小難しい、つまらないなんて敬遠されますが、そこを一歩踏み込んで、見ているあなた自身も関与できるからこそ面白いと思うんです。作品と鑑賞者の間に関係が生まれ、それが作品となる。つまり、スピルバーグの映画のどこにもあなたはいないけれど、アートにはあなたがいる。いい作品には、間口があります。開かれていて、そこに入っていったときにあなたとの関係性を見出す可能性をもっている。そうやって鑑賞者と作品の関係を閉じていないことが美術作品の条件だと思います。

本文テキストここから。
→http://www.nsc.co.jp/monthly/pdf/2009_7_190_07_10.pdf