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アートとエンターテイメントの違いについて(抜粋)

2012.09.04槇島 藍
現代美術作家の祐成政徳さんという方を勝手に心から尊敬しているのですが、2009年に発行されたトークスクエアという小冊子(社内誌なのかな?詳しくなくてすみません)でインタビューをうけていて、最後のアートとエンターテイメントの違いについて、本当に、この方の言葉は自分の心や身体のコアの部分にするするはいってくので、抜粋します。無認可で恐れ多い、、、あんまり見る人のいない自由帳なのでお許しくださいませ。

(以下、抜粋)

以前、僕はアートとエンターテインメントの違いを考えたことがあります。何だと思いますか? 例えばエンターテインメントを代表するスピルバーグの映画。それは「ジェットコースタームービー」なんて評されます。映画館のいすに座っているのに、まるでジェットコースターに乗っているみたいにハラハラする。そこには、スクリーンの側、作り手の側から一方的にベクトルが向けられ、観客はそれをただ受け入れている状態です。でも、アートではそのベクトルが相互方向を向いているのだと思います。もしかすると、作品がこちらを向いてくれないかもしれないし、指されていても気がつかないかもしれない。そこで鑑賞者が歩み寄ることによって、作品の内容が広がってくるんです。
アートはよく小難しい、つまらないなんて敬遠されますが、そこを一歩踏み込んで、見ているあなた自身も関与できるからこそ面白いと思うんです。作品と鑑賞者の間に関係が生まれ、それが作品となる。つまり、スピルバーグの映画のどこにもあなたはいないけれど、アートにはあなたがいる。いい作品には、間口があります。開かれていて、そこに入っていったときにあなたとの関係性を見出す可能性をもっている。そうやって鑑賞者と作品の関係を閉じていないことが美術作品の条件だと思います。

本文テキストここから。
→http://www.nsc.co.jp/monthly/pdf/2009_7_190_07_10.pdf